樹液採集

日時 : 2013年6月22日
場所 : 近所ポイント
目的 : 樹液確認とネブト狙い


近所ポイント

例年より樹液の出が悪く、敬遠していた近所ポイントだがしばらく行ってなかったので樹液確認を兼ねて赴くことにした。

2年ほどヒラタを見ていないが、今年はどうだろうか? 例の木ではもう採れないのかな?



ついでに、春に見つけた頂上付近の樹液確認もしたいので期待して出発した。


樹液採集での失態

お墓参りの帰りに近所ポイントへ。

山に入る前に、虫除けを振ったり、装備を整えたりするのだがカバンをあさっていて気づいた。

今日の失態その1 : タオルを忘れる



雨上がりの湿度が高い山で汗だく必至なのに、何をしているのか。





早速、いつものように木を見ていく。

一本目のクヌギでは樹液が出ているものの、蛾ぐらいしか確認できなかった。

二本目のクヌギでも、樹液の出がイマイチという感じで何もついていない。



すぐ傍の、クヌギではない樹種の木を確認すると、

樹液 溢れています



前に来たときには全く出ていなかった樹液も、このように出てくれています。最近の気温上昇と雨のおかげかな?

樹液 深く見ていく

しかし、枝の裏や隙間、樹皮裏を確認しても、コクワ一匹見つけられない。ここも蛾とモエギザトウムシ?が沢山いるだけである。

 モエギザトウムシ?



この脚長でワタのような虫はこの山ではしょっちゅう見るのだが、能勢地方では少ないようで殆ど見かけないらしい。春の山でも林床を歩いていたり、木を登っていたりしているところを目撃している。

ゆったりとした動きで不思議な形をしていて、ちょっと愛着が出そうになる。



移動して、例の木へ。ここは樹液の出はあまり変わっておらず、なんといつも何かしらのクワガタが挟まっている樹皮裏には何もいなかった。

代わりに別の洞を見ると、小さなネブト♂を発見。ピンセットで掴もうとするも、掴みそこねて逃げられる。

前もここで逃げられたような……。



あまりにもこの木が寂しすぎるので、一通り見てすぐに移動。次の木へ。



ここも樹液の出はあまりよくないが、地面に近い部分は結構にじみ出ていた。だが、この部分は樹皮の隙間が狭く、手持ちの掻き出し棒でも角度を変えてようやく入るという狭さである。

念入りに見ていると……スジの入った背中を発見! あのスジは、間違いなくネブトだ。

狭い樹皮メクレの中に掻き出し棒を差し入れ、10分以上格闘してなんとか手前まで持ってきて、そのまま手で顎を掴んで引っ張ろうとした。



その時。



自分の手に掴んでいたのは、ネブトの頭部分のみであった。

何が起きたかわからず、樹皮の入口を確認すると、なんと頭が採れたネブト♂の体が挟まっていた。

どうやら、手前まで掻き出した時に体が樹皮と木にしっかりホールドされていた状態だったらしく、引っ張ったときに頭のみ取れてしまってらしい……。



これには、あまりにもダメージを受けてしまい、ショックと罪悪感と後悔に包まれてしばらく呆然としてしまっていた……。

しかも、今年採集した中で初の大歯である……。



今日の失態その2 : ネブトをやってしまう……。





最悪な気分になろうとしていたところで、もう一度樹皮を覗くと、もう一頭スジのある背中が見えた。

しかも……、さっきよりでかい。

今度は殺してしまわないように慎重に掻き出そうとするも、ネブトはしっかりと樹皮裏に挟まっており、しかも狭くて棒が思うように動かなくて余計な力がかかりそうになる。

20分近く格闘しただろうか、ようやく体が浮いた。刺激してなんとか入口まで持ってくる。

おお、完璧な大歯だ!と手前まで持ってきて、あとは樹皮から落とすだけだったところで、



ポトッ



棒で樹皮の下に落ちないように支えていたネブトの体が、たまたま開いた隙間に落ちて、そのまま下の樹皮裏へと落下してしまう。気づいた時にはすでに遅し、潜り込んでしまった……。

悪あがきでピンセットでつかもうとしたり、掻き出し棒を入れて探るも見えない位置に潜り込まれ、奥行や形状が分からないメクレ裏ではどうしようもできず……。



こりゃあダメだ……。集中力欠けてるんじゃないか?

冒頭に書いていなかったけど、タオル忘れたときもデジカメを余計に二個持ってきていたりと、注意力が足らなさすぎる。







大歯2頭を悲惨な結果で終えてしまい、そのまま別の木へ歩き出す。

樹液の出はしょぼいが、例年スジがついていることの多い木を見ると、やっぱりスジがついていた。

でも、近所ポイントで今年初のスジだったりする。

フセツが欠けていない、新成虫の綺麗な♂だった。他、コクワがついていた。



頂上の気になる木へ向かおうと思った時、電話がかかってきた。知人(以下Tさん)から採集のお誘いだった。

今採集中ということを告げて、1時間後ぐらいに合流しましょうという話でまとまって通話終了。その間にネブトの実績がある木を話しながら確認していたが、残念ながらクワガタは一頭も見られなかった。


頂上付近へ

一直線に頂上付近の木へ向かい、早速樹液を確認する。ここは4本ほどあるが、時間がないので春に見つけた二本のみ確認である。



一本目に近づき、ライトを照らすと……大きな黒い体が!!



60ミリほどのヒラタだった。このポイントで見たのは2年ぶりだ。

しかもいきなりこのサイズとは。

奥行のない樹皮メクレで逃げられても採集が十分可能な状況だったのだが、その出会いに興奮してしまって、撮影せずにさっさと採集してしまった。

せっかく貴重なシーンだったのに……。



樹液があまり出ていないのにこんなところにいたということは、ついさっき飛んできたのかもしれない。

樹液の出ていた部分を確認すると、何もいなかった。



もう一本の、最も期待している木へ接近する。

大型ゲジが二頭。気持ち悪いので近くにあった竹で追い払おうとするが、素早い動きでメクレ裏に隠れてしまった。

おいおい、一番見たいところなんだが……。

ふと下を見ると、小さな隙間から樹液が出ており、スジが顔を覗かせていた。

先ほどより小さいのでスルーする。



そして、上部のメクレを確認する。思ったより寂しく、いたのは大量のアリと一緒に樹液を吸う小さいヒラタのみであった。

だが樹液は結構出ているので、多いときは沢山いるのかもしれない。

ちょっと急斜面なので、片手で幹につかまって体を支えながら上を向いての採集となる。

ヒラタを落とそうとするも、アリばかり落ちてきて鬱陶しい。ようやく体が緩んで落下してきた。

そのまま自分の首元にダイブ。あわてて取り出そうとするが服を抑えてもいない。

バウンドして落としてしまったか?





追加個体は確認できなかったので、時間が近づいていることもあり、下山することにした。

その途中、





左手を這っているのを確認。40ミリほど?の♂だ。

地面の落下音がしなかったので服についているんじゃないかと思っていたけど、どこにいるのかわからなかったので柔らかいところに落ちたのかも?

とか考えていたらやっぱりついていたようだ。

2年ぶりにヒラタ二頭、嬉しい。







その後、Tさんと合流して小さいヒラタをお譲りし、3ポイントほど回ってカブト・ヒラタ・ノコギリなどを採集。

平地のほうが個体数多いですわ……。近所ポイントの個体数そのものが減ってきているのかな?



まぁネブト採れるし、気軽に来れるからいいポイントではある。夏はミヤマもついているし。



そして、採集中にトドメの失態……。



今日の失態その3 : 主力掻き出し棒二本を紛失





……。



Tさんと分かれてひとりになった後、さらにテンションが下がってしまい、翌日予定していた探索は中止にしました。


成果



採集個体

スジ ♂31ミリ

ヒラタ ♂58ミリ

ヒラタ ♂40ミリ程度(譲渡したので画像なし)



ヒラタは惜しくも60ミリ届かず。

採集個体 右触覚切れていました。多分元からです。





紛失した掻き出し棒の代わりに、帰宅後作ってみました。



ネブトを逃がした隙間用に細め仕様です。隙間の狭い樹皮や洞は結構あるので、他の場所でも役立つでしょう。


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