新規探索

日時 : 2013年6月17日
場所 : 地元
目的 : 新規樹液探索


久々の山奥エリアへ

ここのところ、知人と平地ポイントにヒラタ狙いで行くことが多く、単独では殆ど行っていなかった。

朽木ネブトへ行ったが、いまだに成果が出ていないので採集記が書けない。一応記録は残しているけど。





そして、ふと思い出した。山奥エリアに何箇所か目星をつけていたことを。

しかし、『この暑さであまり上のほうへ登るところは行きたくない』というわがままなことを考えながら、PCで地形図を見ていると、
そこまで登らずとも、良さそうな地形を発見。



ということで、ここを探索することに決定。

さてさて、どんな発見があるのやら。


現地到着

自転車(ママチャリ)でなんとか押しながら現地到着。事前の調べでは、細道に自転車ごと入れるということだが、周りの環境的にちょっと心配であった。

が、特に問題なく道へ入れた。入るときに獣の糞のようなにおいが立ち込めていたが……。





道を進んでいると、右手に樹液を出している木を発見。クヌギではない為か、匂いもあまりしない。だが太陽光に反射して樹液が見えている。

左の木ではなく右の木。草に隠れている部分に、樹液が出ている。



早速確認である。

ちょっとした斜面を慎重に降りていくが、やっぱりどんくさいようで滑り落ちそうになる。

おかげで早くも服が泥だらけになってしまった。



台場ではないが、うねったように枝を出しているので難なく上れた。

左の木は洞のようになっているが針葉樹だった。しかも、右の木が下部でうねって針葉樹を取り込んでいた。

そこそこ樹液は出ているが、匂いがあまりしないからか、一頭もついていなかった。

でも、日陰で涼しい場所なので夏場のミヤマに期待しよう。



右手にはずっと同じ樹種が続いているようで、カミキリがかじったような跡が沢山あった。

イメージ的に、クヌギが少ないエリアではコクワが多数ついていてたまにヒラタがついているというイメージの木だ。カシっていうのか?

能勢方面では、台場くぬぎが多くてこういった木には全くつかないらしい。匂いの強さが違うもんな。

傷だらけのカシ?を見ながら進んでいく。



 5年ほどお世話になっている自転車。よく保ってくれている。





右手には小さな沢が流れている。向こう岸は針葉樹が立ち並んでいた。

と、一本だけ明らかに違う木を見つけた。

 拡大撮影。暗くて見づらい。



あったあった。台場くぬぎの樹液だ。

遠目では洞のようにも見える。これはいきなり「来た」か?

だが、沢の両岸は切り立った崖のようになっており、とても上り下りできない。

仕方ない、どこか渡れそうな場所があれば回り込んで木を見に行ってみよう。



ようやく渡れそうな場所を見つけた。同時に、樹液が出ている木も発見。





橋らしきものも発見し、どうやら濡れないで渡れそうだ。背丈以上の熊笹があるが。



渡る前に、発見した新しい樹液の木を撮影しておこう。



ブツッ



え?



……。電源がつかない。

ああ~そうだった、あまり電池ないんだった……。すっかり忘れて、フラッシュ連発しすぎてしまった。

残念ながら予備電池もなく、ここでカメラが終わってしまったので、画像はこれ以降なしです。すみません……。





とりあえず、沢岸に降りて手前側の木を先にみよう。その後、向こう岸にわたり、下流で見つけた台場を見に行くとしよう。

突入前に、全身に虫除けとマダニスプレーをふりかけ、念の為にスパッツも装備して突入。まずは手前側の木をチェック。

樹液は出ているが、特に何もいない。

ささっと移動して向こう岸へ。



マダニがつきそうな笹薮を少しかき分け、姿勢を低くして進む。こういうところは足元だけでなく、肩にもつきかねないのであまり進みたくないところだ。

首元や背中はひとりじゃ見る部分に限界があるので、もし付着したら見落としが出かねない。



ようやく笹薮を抜ける。軽くダニチェックし、問題ないことを確認して先ほどの台場へ向かう。

距離があるかと思ったが、意外に早くたどり着いた。クヌギ独特の樹液臭が漂っている。

では、チェックしましょう。



遠目では洞と思われたが、確かに洞ではあるものの、奥行は浅いものだった。

しかし、大きく穴があいているので、至るところに樹皮メクレができており、樹液もにじみだしていた。

早速コクワらしきものを発見。棒でつついて落とすと、スジクワガタだった。

いつも行くポイントがしょぼいので、何気に自力採集では今季初の種である。



他の部分もチェックすると、鞘翅に明確なスジが入ったクワガタを発見。



ネブト様きたでこれ!!!!!



♂二頭を採集。小歯と中歯の個体だった。

大歯個体が見たいねぇ。

能勢方面へ採集に行かれている知人は、すでに大歯ネブトを採集されている。自分も早く採りたいね。

あと♀も欲しいね。





他の樹液部分には、クワガタは見られなかったので、移動して辺りを散策することにした。

どうもこの辺りはカシ?が多いようで、カミキリの傷跡だらけの木が沢山見つかった。クワガタの姿は見つからないが。

針葉樹に囲まれているので、個体数も少ないのかもしれない。





奥へ進むが今度は竹林になり、これ以上は収穫なさそうだったので引き返すことにした。

本来の目的地へ

道を戻り、今度は逆方面に歩いていく。

その先には広葉樹林が見えており、下調べした時に定めた本来の目的地である。

地形図と衛星写真では広葉樹林であることは確認できたが、実際どんな木が生えているかは見に行かなければ分からないのでここを目的地としていた。

途中に樹液を発見して回り道をしてしまったが、時間はあるので良しとしよう。



針葉樹林を抜けて、やがて広葉樹林へとたどり着いた。ブッシュもない歩きやすい場所でありがたい。

マダニ危険性は減った。いや落ち葉にもいることはあるが。

少なくとも、ブッシュのように上半身につく可能性は激減した。



そして、理想通り台場くぬぎが生えていた。

ここを選出した理由は、『事前に入手していたある情報』と、『そこからある理由で推測した位置にある広葉樹林』、『沢がある谷筋の地形』などの条件を、

『生息に適しているとされている環境』と照らし合わせ、素人なりに「可能性が高い」と判断したことである。

根拠なんてない。あくまでも推測だ。

だが、もし。この地域に今も生息しているのならば、この辺りのどこかにいるはずだ。





そう、「オオ物」と呼ばれるあのクワガタが。





あのクワガタの樹液採集を目撃・達成したことがないので、どんな環境にいるか、自分にはわからない。

どんな洞を好むのか、形状や深さはどんなものがいいのか、営巣する洞はどのくらい高さなのか、日当たりはどのくらいがいいのか、標高や周りの植生はどうなのか、etc……。 だから、今できることは『少しでも可能性が高いエリアを攻めて調べること』だけだ。

それで、最終的に自分が推測したエリアで採集が達成できたとしたら、技術や考察力が身に付いたということになる。一歩、前進できる。



誰かに毎回生息ポイントへ連れていってもらえれば、簡単に採集ができるだろう。

でも、それは『自力』で採集したと言えるのだろうか?

最初の数回は、勉強として連れて行ってもらうことはありかもしれない。最初からわからないものを模索して結果を出すことは非常に難しい。

まず生息地へ赴いて、ヒントをもらい、そこから自分で開拓する。

一番最後が難しいが、自分は今これに挑戦している。

いつか必ず、目標を達成したい。

そうでなければ、本質的なモノは身につかないと思う。



少なくとも、自分がかつて連れて行ってもらった採集者の方には、ポイント案内をしていただいた時、

『ヒントを頼りに、自分の足で赴き、自分の目で探し、見つけろ』と、『ついていくだけでは意味がない』と。

そういうニュアンスで、お話されていたと思う。





脱線してしまったが、わからないなりに導いたエリアの探索を進めることにする。

傾斜はそこそこきつく、滑り落ちることはないが少し駆け上がるのがしんどい。



台場くぬぎは、何本か樹液が出ている洞のようなものが確認できた。が、オオスズメバチが陣取っていて見れなかったり、アリが巣食っていたり、クワガタの姿は確認できなかった。

木を下から上へ見ていき、高所に洞がないか確認するが見当たらない。



上のほうへ登っていくと、傾斜がさらにきつくなり、石がごろごろし始めて足場が不安定になり始めた。

さらに登ると、藪までは行かないもののブッシュのような地帯になり始めたので、今回は一旦切り上げることにした。

というか、集中力が切れ始めて危うさを感じたので撤退した。



エリアが発見できれば、その後は探索するだけだ。目的地が明確になった分、多少気持ちが楽になる。







探索はこれで終了。



実は山の上のほうまで自転車を押して登って行ったのだが、延々と続く山道にスタミナと気力が切れてしまい、日暮れまでに戻れなくなってはまずいと判断して、帰路につくことにした。

この登りのおかげでだいぶ体力が削られてしまい、帰りの途中にポイント二つほど通りがかったものの、見に行く気力が沸かずにスルーしてしまった……。 ちゃんと計画性をしっかり立てるべきであったと反省。目的地以外のプランが疎かにしてしまったなぁ……。

でも、収穫があったのでよかった。

成果



採集個体

スジクワ ♂30ミリ

ネブト ♂17ミリ

ネブト ♂19ミリ


採集記録へ戻る inserted by FC2 system